【日本史勉強法④】マニアックな知識に惑わされるな!!
私は、公立高校で日本史を教えている
生徒と会話していると、日本史の勉強について「それはどうなんだろう・・・」と思ってしまうようなものが多い。
前回までの記事では、「一問一答」・「教科書学習」・「過去問」について扱っているので、そちらも参考にしてほしい。
今回は、前回に扱った「過去問」についての話の続きとなる。
公教育に関わる私にとって、大学を偏差値で判断して、それについて語ることは憚られる。
だが、真面目に勉強を頑張っている生徒にとって、偏差値の高い大学に入学したいという願いは、全く不純なものではないので、ご容赦願いたい。
さて、偏差値の高い大学の過去問を解いていると…
「こんな用語聞いたことがない!」
「どうやって解くのか見当がつかない!」
といったことに出くわすことが多くあるだろう。
この後の頭の使い方がとても大切になる。
次の選択肢のどちらが正しいか考えてほしい。
①出てきた問題、その答えを全て覚える
②覚えるべきかどうか、考える
このように選択肢を与えてしまえば、簡単かもしれないが、正解は②である。
真面目な生徒ほど、過去問を解いていて知らない問題に出くわすと、それを全て完璧に覚えようと努力する
しかし、それは限られた時間に、いかに効率よく勉強をするか競う受験の場においては、必要ないものだと思う。
おそらく、大学側は「マニアックな問題を知っているか」を知りたいから、その問題を出題したいというよりは、平均点を調整するためにその設問を作っている。
つまり、点数を取らせる気がそもそもないのである。
マニアックな問題を頑張って覚えたとしても、自分が受験するときには、さらなるマニアックな知識が出題されるに違いない。
これでは、がんばって覚えたとしても「覚え損」になってしまうのである。
なので、生徒にとって必要なことは、まず「覚えるべき用語なのか立ち止まって考える」ことが大切なのである。
では、「覚えるべき用語」というのは、どのような判断基準をもって判断すればいいのだろうか。
一つは、センター試験・共通テストに出題されるようなレベルの用語。
あるいは、学校や予備校で基礎的な用語として習ったものが基準となる。
塾や予備校の先生というのは、この覚えるべき単語を熟知している人ということになるので、もし覚えるべきか分からなければ、どんどん質問すればいいだろう。
そして、この質問に答えられないのなら、その塾や予備校の先生は信用しない方がよい。なぜなら、過去問の研究をしていないからである。
「基礎的な用語だけを覚えておけばいいなんて、簡単ではないか」
このような考えをもった人がいたとしたら、大間違いである。
基礎的な用語は、それだけでも膨大な数になる。
そして、基礎的な用語をどのように問うのかということもおさえなければならない。
これをしっかり覚えることができれば、間違いなく上位10%以上の受験生になることができるだろう。
古代から現代まで、もれなく基礎的な用語を整理して覚えていく
これを意識して勉強してほしい。
最後に付言するとするならば、いま話したことは、こと「受験」に限った話であることを忘れないでほしい。
学問をすることに、効率は必要ない
歴史を学ぶことが楽しいのであれば、とことんまで深堀してほしい。
それは、将来とても役立つ能力を育ててくれると思う。
もし、何かの縁でこのブログに辿りついた日本史学習者がいたならば、これらを参考に学習を進めてほしいと思う。