【日本史勉強法①】成績が上がらない?一問一答やりすぎ!!

私は、公立高校で日本史を教えている。

生徒の学習の様子について周りの社会科の先生方と話していて、自分と同じ「違和感」を持っていたので、それを紹介したいと思う。

 

それは、「一問一答やりすぎじゃない?」というものである。

 

テスト前になると、教えている生徒の7~8割の生徒が「一問一答」を取り出し、赤シートを使って、本と「にらめっこ」している。

 

私は、史学科に進学し、修士まで歴史に触れていた。

そのへんにいる人よりは、日本史に一家言を持っているつもりだが、一問一答を使った勉強法はとても「難しい」と思っている。なので、それについてまとめていきたいと思う。

 

まず、「難しい」といったように、「一問一答」を使うことを全否定しているわけではない。これは前置きしておきたい。

 

では、「一問一答」を使うタイミングはいつなのか。

 

それは「日本史の学習が終わったとき」である。

 

要するに、日本史の学習を「一問一答」で行うという考えを捨ててほしいのである。

 

日本史の学習のステップを大きく2つに分けるならば・・・

①教科書・教科書に準じた参考書(講義系の参考書)・授業(ノート)を使って〈インプット〉

②問題集をときながら〈アウトプット〉

 

日本史の学習はこの①・②を繰り返すことが大事である。

 

多くの生徒は、②のアウトプットとして「一問一答」を使っているのかもしれないが、それは次の観点から誤っていると思う。

 

A.丸暗記になりやすい

B.ある程度時系列順に並んでいて、答えが予想できてしまう。

C.「一問一答」で学習をしていると、書かれている場所で答えを思い出すという、英単語帳と同じような現象が起きてしまう。

D.日本史の入試傾向として、「一問一答」の知識だけで点数になる問題は減ってきていて、歴史の流れを理解していないと解けない問題+史(資)料を読み取る問題が増加している。

 

これらの観点から、②のアウトプットとして、第一に「一問一答」を使うことには反対である。

 

それでは、いつ「一問一答」を活用するべきなのか。

 

それは、日本史の学習が一通り終わり、模試や入試本番の直前に、知識の抜けがないか「確認する」ために使うべきなのである

 

そして、大事なのは「確認する」ところまでが「一問一答」の役目であるということである。

 

知識の抜けに気づいたならば、①に示したインプットの教材・ノートに戻って知識を整理するのである。

 

知識の抜けとは、ある歴史用語の「言葉」だけが抜けているというよりは、その用語の意味であったり説明であったりがあやふやになっているのだと思う。

 

なので、歴史の流れのなかで、その抜けてしまった用語がどのような意味を持つのか確認することが必要になる。

 

共通テスト(旧センター試験)等で、正答率が下がる問題として挙げられるのは「並び替え問題」である。

 

「並び替え」問題は、はっきりいえば難易度の割に正答率が落ちるという印象がある。

 

これらが解けない理由の一つには、「一問一答」に頼る生徒の学習姿勢があるのではないだろうか。

 

もし、何かの縁でこのブログに辿りついた日本史学習者がいたならば、これらを参考に学習を進めてほしいと思う。